高配当銘柄:アルトリア・グループ【MO】(2020年4月21日時点)


この記事では米国株式の高配当銘柄であるアルトリアグループについて解説していきます。

米国株式の高配当銘柄一覧についてはこちらの記事を参照下さい。

アルトリアグループの全体像、業績、見通しを理解する事で、皆さんの資産運用の一助になれれば嬉しいです。四半期程度の頻度で四半期決算や最新の動きもアップデートしていきたいと思います。


簡単な目次は下記の通りになります。では順番に見ていきましょう。


アルトリアグループの概要

まずアルトリアグループって何?聞きなれない会社だな、という方も多いと思いますので、グループの資本関係とビジネスが一目で分かる下記チャートを作成してみました。

Altria IR資料から独自作成


ぱっと見てすぐに分かる通り、アルトリアグループはタバコ関連商品の製造販売会社ですね。一番左がメイン事業ですべて100%子会社。

フィリップモーリスUSAは有名なマルボロなどのブランドのタバコを製造販売し、John MiddletonNat Shermanはパイプ商品や葉巻等を製造販売しています。また、無煙のタバコ商品としてCopenhagenというブランドの口でなめるような商品もあります。さらにちょっと変化球としてSte. Michelle Wine Estateというワイン製造輸入販売業者も100%子会社としてもっています。

ちなみに、フィリップモーリスインターナショナルはアルトリアとは現在は資本関係はありません。フィリップモーリスインターナショナルは以前はアルトリアグループでしたが、2008年にスピンオフして独立した形になります。下記の記事によると、クラフトフーズも以前はアルトリアグループでしたが2007年にスピンオフされていますね。スピンオフの経緯はアルトリア株主による株主還元圧力のようです。

アルトリアグループによるフィリップモーリスインターナショナルのスピンオフ


一方、右側にあるのは戦略的投資先になります。電子タバコ商品を開発・製造・販売するJUUL、口に入れるニコチンパッチを開発・製造・販売するHelix Innovations、大麻草の栽培・マーケティングを行うCronos Group、そしてビール等のアルコールが主力商品のABInBevになります。

これら戦略的投資の詳細に関しては後述の「3. JUUL、Cronos、ABInBevへの投資と営業外損益」で見ていきますが、健康問題やライフスタイルの変化によって、既存タバコ関連商品の購入者が先細る見通しの中、より成長が見込めるポートフォリオの創出を目指している事が伺えます。

アルトリアグループの業績

続いて業績推移についてです。営業利益までの過去6年の損益計算書が下記になります。営業損益のセグメント別内訳も表示しました。

Altria IR資料から独自作成

売上は2016年をピークに2019年にかけて微減している一方、営業利益は2018年での一時的な現象を除き大きく伸びており、2019年は100億ドルを超えました。売上が微減している中で営業利益が増加している事から、売上原価、物品税、販管費・研究開発費が売上減以上に減少している事になります。各コストと商品の出荷量をグラフ化してみると次のようになります。

Altria IR資料から独自作成

出荷量がかなりのペースで減少していっています。これはアルトリアグループだけの問題ではなくて、下記全米でのタバコ関連商品の出荷量を見ても大きく減少し続けている事が分かります。

米国でタバコ関連商品の購入可能年齢が21歳以上に上げられた事、規制当局からのタバコ関連商品の販売チャネル・広告の制限、公衆衛生・健康保険機関などによる臓器へのダメージの周知、等が大きく影響しています。

タバコ購入可能年齢の21歳への引上げに関する記事

米国タバコ商品出荷量(Statista.comより引用)

では、売上が出荷量の減少程は変化していないのはなぜか?

答えは単純で、アルトリアが継続的に商品価格を上げているからです。一般的には嗜好品の需要の価格弾性力は大きいのですが、タバコ商品に関しては、中毒性があるからか、コア層は価格が上がっても買い続けるようです。したがって、出荷量の減少を継続的な価格上昇で補う事で売上を維持できている状態と言えそうです。

ここで改めて、コストの部分にフォーカスし直すと、実は出荷量の減少がコスト削減に大きく寄与している事がわかります。もう一度グラフを掲載します。

Altria IR資料から独自作成

まず、一番薄い色の売上原価ですが、当然出荷量に比例するので売上原価も減少します。

次に薄い色が物品税額ですが、こちらもタバコ一本につきいくらと決められているため、出荷量が減少すれば当然減少します(税額が一定であれば)。

そして少し濃い色が販売管理費・研究開発費になりますが、ここは出荷量に比例しない部分になります。

アルトリアグループはこの販管費・研究開発費の削減にも着手しました。下記アニュアルレポートの抜粋では、アルトリアグループは2018年12月からコスト削減プログラムを開始し、2019年には人件費やサードパーティ支出等を合計600百万ドルも削減させた、とあります。

Altriaアニュアルレポートから抜粋

アルトリアグループは戦略投資先はEquity Methodという国際会計基準を用いて連結PLの営業損益までには反映されていないため、営業損益ベースでのアルトリアグループの事業セグメントは、100%子会社+80%子会社であるHelix、しかも圧倒的に比率が大きい有煙商品と無煙商品に大きく代別されます。

そこで下記チャートに、それぞれのセグメントのコスト、営業利益、営業利益率、出荷量、単価を表示してみました。

Altria IR資料から独自作成

見てすぐお分かりいただける通り、出荷量減と単価増が顕著に見て取れます。出荷量減及び2018年12月からスタートしたコスト削減プログラムによるコスト負担の減少から、営業利益率は大幅に上昇しています。

特に無煙商品に関しては、出荷量の穏やかな減少に対して、価格上昇とコスト削減が大きいため、営業利益及び営業利益率ともに大幅に増加している事が分かります。

このように業績推移と利益構造を見ていきますと、

・営業損益までにおいては、ワイン事業などはほぼ無視できる程度であり、ほぼ有煙及び無煙商品で説明がつく事

・出荷量が確実に減少し続けている中、価格上昇、コスト削減(出荷量減による自然減と削減プログラム)によって利益を伸ばしている事

・売上は微減だがそれほど大きくは変化していない事

がお分かりになると思います。それでは次は戦略的投資(営業外損益)について見ていきましょう。

JUUL、Cronos、ABInBevへの投資と営業外損益

JUUL、Cronos、ABInBevへの投資はEquity Methodという国際会計基準を使用しており、基本的には投資対象先の純利益の投資持分がAltriaグループの営業外損益に現れる事になります。(注:JUULへの投資に関してはコントロール権が無い事からその損益持分を営業外損益に反映させていない)

また、投資時に発生し貸借対照表に計上されたのれんや無形固定資産等は、投資先の企業価値減少(将来キャッシュフロー予測の減少)が見込まれれば減損処理により圧縮されます。当然このような減損は損益計算書の営業外損益に表示されます。

では、営業外損益を見て見ましょう。

Altria IR資料から独自作成

それほど多くの項目があるわけではないので、債務早期償還費用及びその他を除いて解説していきます。


JUUL持分減損

まずは、なんといってもJUUL持分の減損についてから。下記のアニュアルレポートの抜粋から、アルトリアグループは2018年12月にJUULの転換可能な議決権無し株式を128億ドルで取得しています。これは全体株式の35%に当たります。

Altriaアニュアルレポートから抜粋

ところが、現在、JUULへのアルトリアグループの出資は独占禁止法に抵触するとしてFTC (Federal Trade Commission)が裁判官による審査を要求しています。

アルトリアグループによるJUULへの出資のFTCによる独占禁止法違反の見解

Altriaアニュアルレポートから抜粋

上記アニュアルレポートの抜粋にも記載がありますが、FTCの言い分としては、アルトリアグループとJUULは電子タバコの分野で二大競争相手だったにもかかわらず、今般の投資契約においては、アルトリアグループが電子タバコで競合事業を行わない事、さらにアルトリアグループが自身がもつ販売チャネルを活用してJUUL商品の拡販に努める事となっていて、業界の健全な競争環境を著しく損なう、とのこと。

これに加えて、下記の通り、FDA (Food and Drug Administration)は、JUULの電子タバコ商品は従来には無い新しいタイプの商品と見做し、FDAに新規タバコ商品販売許可依頼書を提出し審査を通らなければ継続販売できないとの通達を出し、提出期限を2020年5月12日に定めました。

Altriaアニュアルレポートから抜粋
Altriaアニュアルレポートから抜粋

期限内に提出できるかどうかも分からず(とはいえ、提出するよう全力をあげているはずだが)、提出しても審査に通るか不透明な状況ですので大きな懸念材料です。審査に通らなければ、JUULの非常に多くの売れ筋電子タバコが販売禁止になる可能性があります。

さらに、下記抜粋の通り、電子タバコが通常のタバコ以上に体に悪い事が取りざたされ、健康を害された事やその害を過小評価し広めた事に対して数多くの裁判も起こされています。

Altriaアニュアルレポートから抜粋

上記の一連の状況を踏まえ、アルトリアグループはJUULの電子タバコの販売予想を大幅に下げ、かつ将来キャッシュフローのディスカウントレートに上記不透明要素を反映した20%弱もの高い割引率を適用してJUULのfair valueを算出しました。

そして結果、128億ドルの投資に対して86億ドルもの減損を2019年第3四半期及び第4四半期に計上する事に。これが2019年の営業外損益に表示されたJUUL持分減損になります。

Altriaアニュアルレポートから抜粋


株式投資損益及びCronos関連デリバティブ損失

2019年の1,725百万ドルの株式投資損益はABI (ABInBev)とCronosという二つの投資先の株主純利益のアルトリアグループ持分となります。下表の通り、ABIとCronosでそれぞれ1,229百万ドルと496百万ドルとなります。

この内、ABIは分かりやすく、さらに下の表の2019年のABI株主に帰属する純利益(最後の行)に対するアルトリアグループ投資持分の金額になっています。ABIは直近3年で売上は減っているものの、恐らくコスト削減等により純利益が増えているように見受けられます。

Altriaアニュアルレポートから抜粋
Altriaアニュアルレポートから抜粋


一方で、Cronosに関しては、Cronosが増資をした際に発行したワラント(転換社債)や希薄化防止策がCronosにはポジティブに作用し、これらCronoサイドのデリバティブ価値の増加したようです。おそらくワラントの転換価格や希薄化防止のために設定した株式購入権の固定購入価格に比べCronosの株式のfair valueが減少したためではないかと思われます。アルトリアグループは45%のCronos株式持分があるので、増加したCronosの価値の内の45%が496百万ドルとしてアルトリアグループの株式投資益として反映されました。

一方で、上記は逆にデリバティブの相手当事者であるアルトリアグループにとっては、転換しても損するし、定められた固定価格でCronos株式を追加購入できてもその固定価格が高すぎるので損する、という事で下表のように1,442百万ドルのCronos関連デリバティブ損失を計上する事になりました。

Altriaアニュアルレポートから抜粋


ABInBev / SABMiller合併損益

これはABInBevとSAB Millerが2016年10月に合併した際に発生した益になります。

少し複雑ですが、こちらの合併は両者の事業を切り出した事業会社を100%子会社とするホールディングカンパニーであるABInBevを新設するという合併組織再編でした。

従来、アルトリアグループはSABMillerの株式を29%ほど所有していましたが、こちら全部と引き換えに、新設ABInBevの株式9.6%と現金を対価として受け取りました。この従来保有のSABMiller株式の簿価と新たに受け取ったABInBev株式の時価+現金の差がABInBev / SABMiller合併損益という事になります。

Altriaアニュアルレポートから抜粋

上記、2016年のアニュアルレポート抜粋の通り、2015年時点でアルトリアグループ保有のSABMillerの簿価は55億ドルである一方、その時価は258億ドルもありました。上記合併が起きたのは2016年10月なので、恐らくこの時にはSABMiller株式の簿価と時価の差が多少縮まって合併損益である138.6億ドル程度になったと思われます。といいますのも、基本的にアルトリアグループが受け取る対価はアルトリアグループが差し出すSAMMiller株式の時価と同じ(等価交換)であるはずだからです。


金利費用

2019年に金利費用が大幅に増加(2018年比で約倍増)していますが、これは下記の貸借対照表で確認すれば一目瞭然です。

Altria IR資料から独自作成

長期借入金が152億ドルも増加しています。長期借入金で127億ドルの短期借入金は返済されましたが、そもそも短期借入金はJUUL株式取得のためのブリッジローンであり、株式取得後に長期借入を起こしています。

よって短期借入金はそもそも1年にわたって存在していたわけでは無く、事実上、JUUL株式取得のための長期借入金の金利負担分が増え、12.8億ドルの金利費用になった形になります。

配当・自社株買い施策と株価の推移

アルトリアグループの概要、業績、戦略的投資について見てきましたので、今度は株主還元策を見ていきましょう。

早速ですが2009年からの四半期ごとの配当金及び自社株買いの金額推移が下記チャートになります。

Altria IR資料から独自作成

2011年Q2から配当金のみならず自社株買いもするようになりました。自社株買いの金額はその後安定しないものの、配当金額は少しずつ一貫して増加している事が分かります。直近2019年では四半期平均が15億ドル、2019年全体で60億ドルもの配当金額となっています。

では、株価と一株当たりの配当金及び自社株買い金額はどのような推移でしたでしょうか。それは下記のチャートの通りとなります。

Altria IR資料及びYahoo Financeから独自作成

2015年頃までは株価と一株当たり配当金+一株当たり自社株買い金額は相関した上昇を示していました。その後2017年頃までは株価が一株当たり配当金+一株当たり自社株買い金額から乖離した上昇をみせています。ところが、2017年から現在に至るまでの間は、一株当たり配当金が増加しているにも関わらず株価は上下しながら下落し続けている状況です。

2017年以降の株価の動きは、タバコ購入規制、タバコ事業規制、健康への害の認知が進んで、アルトリアグループの事業の将来性への懸念が顕在化したからでしょうか?

Altria IR資料及びYahoo Financeから独自作成

配当利回りと株価はどうでしょうか。やはり2017年まで配当利回りが減少している事からも2017年までは一株当たり配当額の上昇以上に株価が上昇していた事が伺えます。

一方、2017年以降は株価が下落する一方、一株当たり配当額は維持もしくは微増していますので、直近の急激な配当利回りの上昇となりました。

ちなみに2020年4月20日のアルトリアグループの株価終値は39.07ドル。これに対し、直近12か月の一株当たり配当金は3.28ドルなので、現時点での実績配当利回りは8.4%にもなります。

では配当、自社株買い原資はどのように手当しているのでしょうか。これは下記のキャッシュフロー表を確認するのが一番分かりやすいです。

Altriaアニュアルレポートより独自作成

基本的に営業活動によるキャッシュフローは問題なさそうです。2019年は2018年と比べ若干少なくなりましたが、それでも78億ドルも営業からキャッシュを生んでいます。2019年に行った86億ドルものJUULへの投資の減損処理は非キャッシュ項目ですのでキャッシュフローには影響していない事も分かります。

次に投資活動によるキャッシュフローはどうでしょうか。2018年のJUULへの投資で128億ドルのキャッシュアウトが生じています。また2019年でもCronosへの投資関連で約19億ドルを使用しています。

特にJUULへの投資額は大きく、既に述べたようにJUUL商品の一部が販売できないような事態になると、この投資に使用したお金は無駄になってしまいます。実際、アルトリアグループは既に86億ドルもの減損処理を2019年にしていますので、当該減損額計算時の悪い想定が将来実現すると86億ドルのお金が無駄になってしまいます。

最後に財務活動によるキャッシュフローです。配当金支払い、自社株買いはこの項目に含まれています。計算すればすぐに分かりますが、2014年から2017年までは、営業活動によるキャッシュフローでは配当金支払いと自社株買いの金額をカバーできていませんでした。しかしながら、「2. アルトリアグループの業績」でも説明した通り、近年の単価上げと出荷量減によるコスト削減、その他の人件費をはじめとしたコスト削減プログラム等により営業利益率が高まりました。これが奏功し、2018年と2019年は連続して、営業活動からのキャッシュフローのみで配当金支払い及び自社株買い金額をカバーできるようになっています

しかしながら、投資(特にJUUL)に使用するお金を、2018年は短期借入金によるブリッジファイナンス、2019年は長期借入金による借り換えで調達しており、結果、財務体質が大幅に悪化しています。実際、2019年の金利費用は12.8億ドルと2018年の6.6億ドルの約倍まで高まっています。

JUULへの投資に利益が見込まれなければ、今後は下表の通り、高金利費用+長期借入金の元本返済で大幅なキャッシュアウトが生じる事が予想され、仮に投資活動にお金を使用しなくても、従来の水準での配当金支払い+自社株買いの実現可能性に疑問符が付く事になりそうです。

Altriaアニュアルレポートより独自作成


まとめと今後の展望

以上、色々な角度でAltriaグループを見てきましたが、今後の展望も含めまとめると下記のようになるのではないかと思います。


・アルトリアグループはPhillip Morris Internationalやクラフトフーヅ等をスピンオフして株主還元に応える一方、主力事業へのフォーカスを行ってきた。


・アルトリアグループの主力事業であるタバコ関連商品の出荷量は、近年の非常に厳しい規制当局からの購入規制、マーケティング規制、商品の審査及び販売許可、及び健康への害の認知の高まりと共に減少の一途をたどっている。


・そんな逆風の中、出荷量減に伴う原価、商品税、間接費の自然減、及びアルトリアグループによる大規模なコスト(固定費)削減プログラムによる総コストの減少、さらには販売単価を上げるなどの施策によって、営業利益及び利益率は大きく改善した。


・とはいえ、明確な従来のタバコ商品の出荷量の減少と先細り予想もあり、アルトリアグループは、需要増が見込める先進的な電子タバコの製造・販売会社であるJUUL、大麻の生産・マーケティングのCronos、ニコチンパット製造・販売のHelix等への戦略的投資を行った。


・しかしながら、アルトリアグループによるJUULへの投資が独占禁止法に抵触する可能性、健康被害を含む非常に多くの訴訟、先進的商品に対するFDAの厳しい審査と書類提出要求もあり、JUULによる先進的な電子タバコの販売とそれによる収益見通しが大幅に悪化。アルトリアグループは投資額128億ドルの内、86億ドルもの減損処理を実施する事態となった。


・JUULへの投資金額は長期借入金で調達しており、財務体質が大幅に悪化すると同時に金利費用も倍増した。


・営業利益の改善で2018年及び2019年は営業活動からのキャッシュフローだけで高い水準の配当金支払い及び自社株買いを実施する事が可能だった。しかしながら財務体質悪化に伴う高い金利費用及び長期借入金の元本返済が見込まれるため、今後は営業活動からのキャッシュフローのみで現状の配当、自社株買い水準を維持するのは難しいと予想される。


・将来、JUULへの投資が独占禁止法に抵触しない判定がされ、FDAによる審査が通り、JUULが全商品を自由に販売継続可能という事がはっきりすれば、JUUL事業からの利益で現在の配当、自社株買い水準を維持する事も不可能ではない。


・しかしながら、既に実施した減損処理を考慮すると、上記可能性は低いと思われるので、配当支払いと自社株買い金額は今後減少する事が予想される。そしてそれに伴って株価も下落する可能性が高い。


・よって、現在はアルトリアグループ株の購入は控え、5月に予定される2020年第1四半期決算及び今後のアナウンスメント、さらには同5月に期限を迎える、新商品販売許可審査依頼書の提出、加えて2021年1月に予定されているアルトリアグループのJUULへの投資が独占禁止法に抵触するかどうかに対する判定、これらの結果をすべて待ってから投資判断をするのが賢明と言える。


  • Kufong
  • 上海生まれ、日本育ち、米国留学、マレーシア駐在を経て、現在妻と一人娘と一緒に東京で楽しく生活。不動産、資産運用、グルメ、旅行が大好き。金融工学修士修了、CFA (Chartered Financial Analyst)。